少年少女探歌/本木はじめ
少女たち暗黒舞踏を踊る夜旧市街へと駆ける少年
少年が少女の着替えを待っている土の器をふたつ並べて
蜜だらけベッドの上で酔い潰れ蛇足過剰の花をむさぼる
張り詰める音楽室の黒鍵の上で一瞬ふれるゆびさき
駆けてゆく教科書燃える校庭の曇る夜空のバトンを受けて
少年が空の青さを掻き混ぜる少女不在の冬の湖
揺れている少年少女吊り橋の上にいるかのような放課後
震えだす少年少女蜜月の意味も無意味も知らぬ月蝕
あと三歩あるいて見えなくなる星を転校生の少女と語る
美しく殺してくださいひとめぼれあなたの恋は何色ですか
目
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