風通し/佐藤真夏
がおったんかどうかも私よく知らんのやけど
畳のなかって隙間だらけで住めそうやし
むしろ日差しとか防げて住み良いんじゃないかなとか思ったりして。
何層にも織り成されとる内なる畳の世界は
公衆トイレのドアの隙間に差し込む程度のひかりの連なりで構成されとるんかなあとか考えよると
ちょうどええ眩しさってどのくらいやろって思うわけで
私の部屋やって、私の内なる世界やって、
ドアの開き加減を調節しながらちょうどええ塩梅になるように明るさとか涼しさとかを調節しよるはずで、結局
どこに黴が生えるのも嫌やけん身体中どこもかしこも風通しよくしておきたいわー、畳みたいに全身スカスカさせてあっちこっちすり抜けながらできるだけ風と同じ質感でおりたいわーって思いながらあくびして寝る。
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