白紙の散乱/涙(ルイ)
べてを否定しているということを
私などいらない存在であったことを
あなたが過去を語れば語るほど
はっきりくっきり浮かびあがらせてしまっていることを
手紙を書こうと思い立ったはいいものの
はてさて何を書いていいのやら
泣き言ばかり云ってしまいそうだから
代わりに 身もふたもない詩をしたためています
ねぇ、君はちゃんと笑えてますか
人前で泣くことができますか
怒るときはちゃんと怒ることができますか
悲しくはないですか
淋しくはないですか
眠れない夜 ひとりで枕を濡らしてはいませんか
生まれたことを 後悔などしてはいませんか
自分の声に ちゃんとちゃんと
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