黄金の牛(更新中)/みつべえ
ェルは蘇生しました。
「こ、これは・・・」
ジェルは跳ね起きると、かたわらの神など眼中にないといった態度で、また必死に岩山をよじ登りはじめました。ジェルは死のうとする考えで頭がいっぱいだったのでした。それで高いところから飛び降りたのにもかかわらず、かすり傷ひとつ負ってない異常さを、ただ運が悪かった、つまり打ちどころが良すぎたくらいにしか思わなかったのでした。
だから二度目は確実に死ぬために、一度目よりもずっと高いところから飛びおりました。
彼のからだは最初、足の方から落ち、途中で一回転すると、頭から岩場に激突しました。頭蓋が割れ、血と脳漿が飛び散りました。眼球が一個ころがって、神の足も
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