モグラの花びら/合耕
 
手鏡を持つと みんな照らしてしまう
その柵の際から
聞き取りやすい匂いで 呼びかけた
蘇生術の手ほどき

邪魔くさい枠をどけて
もっと 回そうとした目が少しだけ
後は みんな吹き飛んだ流れになって
誰か一人去れば
屋上のない海岸

私は頭の上
掛けられた油絵から
降ってくる 絵の具の屑が怖くて
泣いていました
ビニールシートをかぶったその下で
ネズミは動かずに 指を組み
何かを持てるようになっても
こちらへ渡さない
だから取り上げて 握った手の中には
モグラ叩き用ハンマー

そこへ降ってくる
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