対面のテーブル/電灯虫
 

ドヤ顔見せて
へへへ と笑う。
自分が物理的に共有できない
その行過ぎた時間表が埋まっていく。
具体化された父は
型の中身がすごく近くで脈打ち始めた。


店を出て車に向かう。
鍵を渡して前を行く後姿は
自分と対して違わなかった背中だった。
その背中に手を回して 
一緒に肩を組みたくなった。
帰るぞ そうかけられたから
うん と答えた。
父は
おっ とした顔で 
フン と笑った。

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