硝子/透明な魚
 

僕の魂が局所に存在していて
確率的に僕であるなら
猫に与えたミルクの行方は
猫を経て非局所に彷徨い歩く
僕の部屋には青い小瓶があるけれど
その中を覗くことはない
僕は唯
いまこの沢山のレバーをどのように動かせばよいか考えている

世界に僕が語ろう
僕のペルソナが電子を帯びて君に語る時
僕は同時に海で
ピンクの紙飛行機を空に飛ばしている
其の行く末がくじらの胃袋の中でも
奇跡的にその紙飛行機は
僕の元に還ってくる

君はもういいといったね
それはもう終わったことだと
そういうことかもしれない
夢とはそういうことなのかもしれない
ピンクの紙飛行機は
綺麗に伸ばされて
そして綺麗にたたまれて
青い小瓶の中に
そして色の無い世界に落ちてゆく
もがく掌で奇跡的に薔薇となる

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