会えない女/はだいろ
れても、
もしかしたら、
事実そうなのかもしれず、
でもだからと言って、
嫌いだとか、いやだとかいうわけでもない。
ぼくは、
ひどいさみしさを、感じるとき、
それがじぶんじしんだと、認識していたのかもしれず、
その認識の懐かしさのために、
ほんとうの愛を失おうとしているのではないだろうか。
そうゆうふうに考えると、
夕ご飯に、
ひとりで、焼き肉をしていても、
おそろしいむなしさや、
自己嫌悪や、
もしかしたら、彼女のことを、
ほんとうに好きになれたのかもしれない、
というような後悔で、
まだ別れてもいないのに、
どこかこころの奥のほうの、行き止まりに突
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)