ゆるやかにおやすみ/佐古
 

きみを救うのはだれだろう
水底でうずくまるきみのせなかを
撫でるやわらかいてのひらをもつのはだれ


 きずつかないために
 きずつけるしかしらないきみは
 しんでもいいような理由をさがしてた

 きみのとうめいないのちを
 崇めてたぼくを嫌悪していた


   夕闇に空をゆびさす
   金星よりもその眼をみてた



 うまくわらえやしない
 特技なんかなにもない
 ただそこにすわっているようなきみをすきだった
 それだけをゆるしてほしかった



ぼくじゃない
おんなじようなぼくじゃない
だからきみの寝顔をみてた

降るような星をおもいだしながら
きみの頬におちたひとしずくをゆびでぬぐった。






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