ゆるやかにおやすみ/佐古
きみを救うのはだれだろう
水底でうずくまるきみのせなかを
撫でるやわらかいてのひらをもつのはだれ
きずつかないために
きずつけるしかしらないきみは
しんでもいいような理由をさがしてた
きみのとうめいないのちを
崇めてたぼくを嫌悪していた
夕闇に空をゆびさす
金星よりもその眼をみてた
うまくわらえやしない
特技なんかなにもない
ただそこにすわっているようなきみをすきだった
それだけをゆるしてほしかった
ぼくじゃない
おんなじようなぼくじゃない
だからきみの寝顔をみてた
降るような星をおもいだしながら
きみの頬におちたひとしずくをゆびでぬぐった。
/
戻る 編 削 Point(2)