ヘンタイのサイテー/藪木二郎
 
 あの頃はまだ
 山ガール
 なんて言葉
 なかったかなって思うんだけど
 あのひとはなにか
 そんなニュアンスの言葉で
 自己紹介したんだ

 二つの同人誌グループの
 合同の飲み会の席でだったな

 山ガール
 嫌がられるんですよね
 上のほうにいる時は
 そうでもないんですけど
 電車乗って
 平野のほうまで下りて来ると
 ほら気圧とかの関係で
 自分でも臭っちゃってるの
 分っちゃったりするんですよ
 だからいつも
 電車は最後尾の隅っこのほう
 それでもなにか
 ヒソヒソ話とかされちゃったりして

 でも僕ってほら
 あれだから
 嫌
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