鎖/
弧雨
鎖なんて
重くて冷たいだけだからと
そう言って
君がするすると脱ぎ捨てた
赤錆びた鉄の鎖を見つめていた
鎖は血のように鼻につく匂いで
私の肉にきつく食い込む
いつしか冷たく固まったまま
私の横で一人眠りについた君が
最後に残したものは
遠い日のそんな鎖
慰めにもならない
そんな望みだった
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