fragmental tapestry/ねことら
 
フロアーは乾き、主体は客体化し
いつしか、ぼくはぼくをながめている
陽はしずまり、濃密なやみのなかで
蛍のようにちいさなクリアファイルのあかりが
そこ、ここに点れば
ひどくたかい天井にうつしだされた影を
簡易の天球儀に見立て
時とともにうつろう速度を
きみは計算しはじめる



たったひとりの測量技師
この世界における



それは幾度となくくりかえしてきた
唯一赦された遊戯だった





きみは、きみじしんの幸いを弔いながら
爆砕する内宇宙の、透明なガラスが降り積もるなか
あてどない痛みのさきに手をのばし
いつまでも、いつまでも
人工の星たちの
滅びを、数えつづけている













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