泥のなか/
月乃助
あたしは、この小さな泥の中で息絶える
運命のそのときまで
あきらめずにいるよ
明かりを感じるのは、きっと陽のひかり
でもそれを今は確かめるすべもしらない
あたしの目はもう見ることができない
目をあけることが、
いえ、目がそこにあることさえわからずに、
けれども、あたしがあたしでいる限り
あたしは、あたしの力を信じる
生きている限り
その最後の時まで
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