焔洋 / ****'04/小野 一縷
01秒毎に進む距離数を高速演算することにより脳内に
震動伝導を開始する一片の思考の構成図を繙くと
さらさらひりひりと脳の中幹部から対流微散する文字の
欠片の奔出圧力で脳壁にはめ込まれた創造快楽の扉を
開放したまま放置することを全細胞が進み向かう
あらゆる時間単位と指向性の完全一致により ここに開始する
胸の鼓動と詩の胎動が 同調する瞬間
凛刺とした頭痛の余韻 眩暈の木霊の中を弾けて
罫線の先へ先へ 零れ進む熱の飛沫
詩の活性細胞海域に深く飛び込む
「ここから 見る」
脳内言語構成中枢毛細神経繊維を綾取りの要領で弄ぶ
その手捌きの軌道を額の裏奥の頭蓋に映し
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