宇宙は膨張している/わたしのなかの/木屋 亞万
 
身体の水分をすべて練り上げて
わたしは丸い生地になる
一晩寝かされて
発酵するのを待つ
悶々と悩む
自分はこれでいいのかと
腐って消えてしまう夢を見た後に
大爆発を起こしたい気分になる
自分もろとも世界を吹き飛ばして
リセットしてやろうか何もかも

自分を腐らせないために
冷暗所で育まれていくこの身体が
うずうずしている
太陽と大地の力を借りて
手足を伸ばしていく木に憧れながら
火の中へと放り込まれる
わたしは膨張していく、縦へ横へ
皮が剥けて
次の皮がむき出しになり
また裂けていく
徐々に硬くなっていく

わたしの体内に宇宙の核があって
わずかな隙
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