灯火(あかり)/yumekyo
場所に追いやっている存在だと気付くだろう
そしてひとつの光を喰らい尽くした時
一瞬だけ泣きそうな表情に変わるのだ
あいつは ああやってしか生きていけないんだよ
いつも光が消える不安に苛まれているんだよ
つぶやき声が聞こえる
灯し続けることを やめさえしなければ
同じく 悩み苦しむ小さな光と手をつなぐことだってできるだろう
光が光と手をつなぎ 点々と消えない大きな円(ゑん)となり
円の中は確証と相互信頼とに満ちた 縁(ゑん)の世界になるだろう
光が消える不安が無いから 大きな光も やがて自然と手を伸ばしてくる
確かな光のひとつになったあなたは
ひとりの食事ももう侘しくはないはずだ
灯し続けることを やめさえしなければ
戻る 編 削 Point(5)