じゃあ/相田 九龍
 

 出ていく
 その人の体は、ここに残っている


お米が炊けないので
料理には手をつけられない
つまみ食いとかそういうのを
割と嫌うタイプなのだ、僕は


 その人はどこに行ってしまったのだろう
 体だけ置いて
 これは、君のすべてだと言うのに


お米が炊けるのを
二人で向かい合って待っている
あんな話やこんな話を
しないまま、待っている


 いめぇじの世界では
 ダンスを踊る人たちの肉体が千切れて
 笑っている顔が浮かんで
 少し気持ち悪いのだ、僕は


待っている
お米が炊けるのを待っている、僕たちは
じわ、じわ

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