どこからか/殿岡秀秋
 
をしたいのか
聞く
彼らはぼくにくつろいでほしいという

過去に傷ついたときの影を負った
小人たちがいる
そのひとりと向きあって
傷ついた場面をおもいだしていく

共に泣き共に怒りながら
その場面を生きなおすことで癒されていく
次の日には別の小人が負っている
影と向きあう

いろいろな場面を繰り返し想いだすと
小人たちは軽くなって
ピンポン玉のように
弾けるようになる

実はたくさんの小人に支えられているので
ぼくは彼らの代表にすぎない
小人たちに息をおくりこむ
それぞれが深呼吸する





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