感覚世界/シホ.N
 

視ること超えて
見える闇
聴くこと超えて
聞こえる沈黙
言うこと超えて
云われる言葉

もはや
見も聞きもしない
言葉が造る
虚構の世界を

観念のお化けに
呪われて
今日も脳みそだけが
起きている

体中の
感覚器官からの入力が
頭蓋のうちに
虚構を造る

目が霞んでくる
耳が遠くなってくる
感覚器の身体性
神経の末端の有り様で
世界はどう有り得るか

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