今はもう、いない/番田
前も忘れた 君が好きだった
光る 長い鉄の棒なのかもしれない
緑色の風景だけが遠くに見えるだけである
それとも電信柱なのだろうか
生きていくということは大変なのかもしれなかった
それは違うと言う人など 多分 少ないだろう
ただただ 一人だった
何かを食べたいと思った
私はどこに行くべきなのかをそこで忘れてしまっていた
また ため息をついた
世界地図を頭の中で広げている
そして どこだろう
新しい目的地を 探さなければならないようだった
私は 罪を犯したばかりの子供のようである
日本の僻地で 語るべき事はないのかもしれなかった
本の中に 全ては 収められてしまっていた
あの人は 今頃 何をしているのだろうか
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