形骸 ★/atsuchan69
 
はいたミルク売りの少女だの…。
さてさて、一体全体どいつもこいつも美しく淫らな罪の色に染まってやがる。やがて誰かがおまえたちの悪行を償うために死んでしまうなんて、ほんの微塵も考えちゃいなかった。【生贄】は今夜もふたたび必要とされていたが、肝心の生贄たちはすこぶる陽気でお気楽だ。だいいち、穢れた生贄なんて豚も喰わない。たとえ神がどれほど寛容だったとしても、もしも仮に葉巻をくわえたスコティッシュ・ディアハウンドなんかが生贄だったら、きっとその罪を許すどころか激しい怒りのあまり街じゅうを灼熱の火炎によって百年は焼きつづけるにちがいない。しかしだからといって、生贄はいらないという訳でもけしてなかった。人
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