なんにもしなかった日/塩崎みあき
 
だあれもいない



ゴキブリ
が出た
バカだなこんな
所にのそのそと
出て
くるなんて

殺そうか

でも
見なかったことにしたい
そんな判断で
成り立っている
日常


追われている
わたし
生まれたものは
その瞬間から消滅に向かっている

という
誰かの言葉が
記憶に新しく
突き刺さって

秒針音
で感じる
孤独



触覚が
ゆっくりと動いている

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