なんにもしなかった日/
塩崎みあき
だあれもいない
夜
に
ゴキブリ
が出た
バカだなこんな
所にのそのそと
出て
くるなんて
殺そうか
でも
見なかったことにしたい
そんな判断で
成り立っている
日常
に
追われている
わたし
生まれたものは
その瞬間から消滅に向かっている
という
誰かの言葉が
記憶に新しく
突き刺さって
秒針音
で感じる
孤独
の
虫
触覚が
ゆっくりと動いている
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