happy again/凛々椿
 
今日の雪のように
悲しいので
僕は毎日死者のふりをする
光かがやく新しい日々に添いながらも
何ひとつ変えられないまま 
積んだ雪の道のすみで 言葉を発せずにいる
それでも あとふたつきもすれば
あの丘のさくらが咲きほこり 
僕のいない白楽の町に はなやかに降り積もるのだ
潮風に乗って
気がくるうようになっても
それは それはとても美しく思い起こされるのだ
あの人とともに



雪はやがて雨へと生まれ変わった
錠剤を噛み
僕は I'm singing in the rain を歌う
あの日のことを思い出して歌い続ける


   I've a smile on my face
   I walk down the lane


すべて 夢だったら



思い返しながら
雪解けの灰色を跳ねながら歩く僕は
まるで ピエロのように




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