肌あわせ/月乃助
 
かえってまわりのものが鮮明になる」

「そう、私は自分がどこにいるのかも分からなくなるけど」

「男と女は違うのさ」

「それで、私の足の裏の味はどう」

「踏みつけられ、虐げられたものが、今をこの時と
 悦びをさがす。そんな味」

「月並みなのね」

「ほんとうのことは、知ってしまえばありふれたものかもしれない」

「そう、
 じゃあ、もう一度確かめてみるのはどう。
 真実は、ひとつとは限らないかもしれないし」






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