フェリー埠頭にて / ****`04/小野 一縷
 


船が時計回りに回転する 入港だ
一体何人の人が この街を初めて訪れるのだろう
この街の灰色の実態を 
明らかに街に溢れる老人と寂れた商店街が色濃くしている
排他的な地方特有の訛った会話が そこら中に厭らしくくすんでいる

明日は医者だ
先生 貴方の診断書より 
この詩や散文のほうが病状を大いに言い当てる 
ずっとリアルだ

何もすることが無いというのも贅沢だ
呼吸のみしている自分に たまに気付く

時間が売れるなら 大方とっくに売り払って
小金持ちになっているはずだ

無駄な時間の経過というものを こうして記してみると
元が元だけに やはり こうして駄文になる



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