中央線/
虹村 凌
綺麗な下着を履かせて何になる?
俺が五月蝿く言って女が確実に従うのなら俺は幾らでも五月蝿く言おう
全ての人間を誰かに似ていると言うのは止せと
そんな幻影にうんざりしているんだと
そんな女が俺が知る限り一番俺を理解している事を思えば
笑うしかない
だから俺は笑った
実に寒い夜だった
中央線の通り過ぎる音がした
新聞配達の原付の音がした
俺がわからないと言って女は
ベッドで口を開けて眠っている
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