その耐えられない歯痛/アラガイs
先生、 どうか 痛くしないで 〃手荒な真似はしないで 〃 )などと、内心ドキドキしながら怯える弱さはけっして顔に出すことはできない不安さ。(ほら!はやくドロを吐け!おまえはなにがしたいんだ!)…と、キツい尋問でも待ち受けるかのような、、トホホ…それはまるで囚われ人ではないか。
嘆願する、嘆願しながら 請求書提出してくだい と、急かされる あの なんとも 悲壮で無力な瞬間…トホホ 。
(あの歯医者は下手くそだね 。 先生はいいけどあそこは人が多くて待たされるわ 。 手荒いね、この間はすごく痛かった 。 義歯がすぐに壊れた 。 予約が とれない 。)
痛い! 怖い 痛い 。
*
被せがとれてからもう半年にもなる。ぼくの奥歯にはポッカリと空いた火山凹のなかに、崩れ欠けた鉄橋の腐った金属の欠片が貼りついたままで、 (〜冷や ! また水が凍みたぁ〜 )
あーあ 。何処かいい歯医者ないかなぁ 。
まさに トホホ とは 言ってられないのである 。
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