一礼してどこかへ/
かんな
湖でも川でも沼でもなく、どこか淡い青をした海だった
わたしはそこでひとり泳ぐことを望んでいたよ
好きだよ
壁にぶつからずに少し避けて歩いていくこと
その自分の弱さに気づく勇気とか呼べるもの
だい好きだよ
だんだんだんだん、わからなくなっていく
続いていく道を蛇行して歩いていくからできる息の仕方
流れていく日々にほんの少しの不自由さが広がる
だから
この地上に一礼して
そして、
どこかへ
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