All About U/草野大悟
 
纏ったまま息絶えている
それでは 汗はどうだ 肉は 骨は 皮膚は
頭 首 胴 手 足 すべての内臓
忘れ去られた矜持

夜は朝を思い出せない
朝は朝であったことを忘れている
昼は とうに溶けている

ピキピキ鳴きつづける小さな家の二階に 海が潜んでいる
あふれてくる涙は 海の組成と同じだ
ほんとうっぽく笑う風はもう西の空へ沈もうとしている

ほんとはね ほんとは はとんほ なんだ
○のついたトックリは酸漿と仲良しだったときもあったのだ 
朝という名を忘れた朝が大声でやってくる
   
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