わたしは水ではないので/あぐり
ふつう」だと決めつけてあげようか
(ただしいことはただしい方法でやるべきなのです)
誰かが浅瀬で重油をまいて
それをヒーローにできるわたしたちは
どうしても、飢えているのでしょう
ふさいでくれる毛布なら
口にふくむことも出来ずにあいせるのに
ひとりでいることを忘れた日は
流れるぜんぶをなくしているのでした
(あなたを「お」をつけて乞うてもよいでしょうか)
飢えている奥歯がふくらんでくるので
どうしようもなくわらって
はじめて名前のないものを、憎むことにしました
わたしは水ではないので
なにかをえらぶことでしか、いきていけないのです
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