無神論気取り/kiri
 
個性を大切に 自分探しをしよう 世界にひとつだけの花 みんな違ってみんないい
今では段々薄っぺらくなってきたこのフレーズ達
しかし我々の誰もその薄っぺらさを言えず、皮肉を言って知識人ぶるのがせいぜいだ
今自分がやるべきことをしよう 義務を果たし自立した社会人になろう
自分しか出来ないことをしよう 良き趣味を持ち自分だけの人生を謳歌しよう
そんな事を名札にはっておきながら、それを外し暗闇で布団に包まったときの君達の安堵した表情ときたらまったく哀れみを感じるほどである
気の利いたことを言えば、我々は自立したのでなくただ立ち尽くしたのである。
そして今もまだ立ち尽くしたまま さながら石像のごとくゆるやかな風化に死の安楽を
待ち、目が合ったときのその義眼のような乾いた眼と来たら不気味極まりない

繰り返し立ち上がることが自立なんじゃあないのか?聳え立つ個性諸君。
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