宗教を遠ざけて生きてきた/kauzak
祈ることを日常から消して
何かに追われるように生きてきた
見たくないものから目を逸らすかのように
そんな私たちは老いていく身体/精神に直面して
初めて死に正面から向き合う
徒手空拳で
われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか
祈ることを消してしまった私たちには
経典を捨ててしまった私たちには
自らの内なる発露としては持ち得ない問い
ただ漠然とした不安を形にした言葉として
理解できるに過ぎなくて
それが不幸なことなのかどうかも分からないまま生きている
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