一の蝶による五の夢景/リンネ
 
抱えて震えてしまっています。私は、そうっとおむつを剥がして便を処理しました。洗面器には湯がたまっています。藤編みのバスケットをもう一人から手渡されました。中のシーツの上に、さっきとは別の赤ん坊がうつ伏せになっています。不安になり、仰向けにすると、顔がトカゲのようにしわがれていました。急いでお湯に浸けて揺さぶります。けれどそのせいで、首もとがゴムのように裂けていきます。大きく開いた切れ目からは、一匹のアゲハチョウが羽を広げて這い出てきました。二人は「救急車を!!」と絶叫しましたが、もはや赤ん坊は洗面器にぷかぷかと浮かぶ、単なるさなぎの殻に過ぎないということが、心のどこかで、にわかに予感として芽生えて
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