芝浜/はだいろ
　

芝浜は、
有名な噺だけれど、
甘いし、
先がわかるから、
あまり、
面白くないなあ、
と、
初心者のぼくは、
思ったのだけれど、
今日、
志らくの、
芝浜を聞いて、
なんか、
味が、
わかったような、
きっかけを、
つかんだ。

あれは、
夫婦の、
噺なのだけれど、
味わうべきは、
その甘さじゃなくて、
大晦日の、
寒さのほうなのだ。
しんとした雪。
除夜の鐘。
ほうじ茶のかおり。
しみいる酒のにおい。
人生の辛さや、
おそろしさや、
ぞっとするような、
紙一重の恐怖の、
裏返しの、
あたたかさなのだ。

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