指先で語られる人生悲話/涙(ルイ)
次に進むためには
立ち止まらなければならないときだってきっと必要なはず
前を進むだけが前進じゃない
見上げれば漆黒の闇はどこまでも続いているし
人生もきっとそんなものなんじゃないかしら
何処まで続くかわからない闇の中を
月明かりのような青白い光をたよりに
辿っていくより他ないんだわきっと
過去はいつだって私を自由にしてくれないし
現実は容赦なく私を弄りつける
それでも
次に何が起こるかわからない世の中を
生きていくのも
悪くはない気がするわ
疲れた体を引きずるように部屋にたどり着くと
思いがけない人からの着信ありのメッセージ
「もしもし、元気にしてますか」
「もしもし、私は元気です」
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