下戸遺伝子/板谷みきょう
動くことも出来なくなって
青息吐息でいると
何だか
どうでも良くなってきた
その時、看護婦さんの一人が
急性アルコール中毒だと言い出し
こんな看護婦の集まりで
救急車は呼べないわと言い出すと
みんなから
上着を脱がされ
ネクタイを外され
シャツのボタンを外され
ベルトを緩められ
ズボンのホックも外され
ファスナーも下げられた
胸を肌蹴られても
されるがままで体が動かない
大きな声で判るかどうかを尋ねられ
腋の下を抓られたりしたが
でも
もうどうでも良い感じなんだもの
放っておいて欲しいのだった
すると無理やり沢山の水を飲まされて
座布団
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