あなた/草野大悟
 
          ひとつになりたがっていた
    五人目から十人目までのあなたとは 光速で別れたので 想い出は ない


十一人目のあなただった  これまでになくしっくりなじむ
永遠に エイエンを信じた

さがした
空のすみずみまで
流星たちにも頼んだ
さがしながらあなたを忘れてゆき
十二人目のあなたとひとつになったころ
十一人目のあなたは見つかった

「月の裏側で倒れていたよ」
そう教えてくれたのは
シシ座流星群ナンバー3

大急ぎで あなたの元へと走った
あなたは クレーターの蔭に ポツン と音をたてて転がっていた
まだ 息はあった 体に刻まれた数字が明るかった


私は あなたを掌に握りしめ 一緒に来た十二人目はポケットに入れて
       ふうーっ
と息を吐き     にこにこ笑いながら 地球へと歩き出していた

戻る   Point(1)