「 サイレントレイン 」/椎名
小雨にけむる街
どこにも行けなくなった想いは
カーテンを開けることも叶わず
諦めて部屋の明かりをつける
ためいきと沈黙と
時を刻む音だけを寄り添わせて
こころにさす傘がない
濡れてしまうのが怖いから
今日はここで死んだふり
時が過ぎるのを待っていよう
いつかきっと
まぶしい光が誘いにきてくれるから
それまでは死んだふり
こころの窓にもカーテンをかけて
ここにいること知られないように
音もさせずに雨が降る
サイレントレイン
街も
わたしも
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