きせつにサヨウナラをして/石川敬大
 

 こんなにも
 しーんとしずかですから

 声がいつもそばにあって
 ぼくを支えてくれていたのですが
 このごろは
 ざつおんが多くて
 ぼくの耳はききとりづらくなりました


  きせつはかわいた疎林になり
  一葉は石になってときを打刻する


 だからぼくたちは
 ふりおとされないようにしがみつくのです
 きょうもなんにんもふりおとされて
 くらい宇宙空間に
 ほうりだされてゆきました

 あしたは
 きみのぼく
 ぼくのきみとして
 で、あるのかもしれません





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