きせつにサヨウナラをして/
石川敬大
す
こんなにも
しーんとしずかですから
声がいつもそばにあって
ぼくを支えてくれていたのですが
このごろは
ざつおんが多くて
ぼくの耳はききとりづらくなりました
きせつはかわいた疎林になり
一葉は石になってときを打刻する
だからぼくたちは
ふりおとされないようにしがみつくのです
きょうもなんにんもふりおとされて
くらい宇宙空間に
ほうりだされてゆきました
あしたは
きみのぼく
ぼくのきみとして
で、あるのかもしれません
戻る
編
削
Point
(22)