空想の午後一番/碧姫
 
かづいて
くずれおちそうになる、そう、
通いなれた歩道橋の階段で
後ろ向きに倒れそうになるみたい
当然の高さにこびとが邪魔をする

大切な人の声さえ聞けなくて
仮面をはずせない自分がいるなら
空想の午後一番列車に

乗り遅れる前に走りこまなくては

切符ヲ手に入レテ
赤イ籐ノ旅行カバン一ツ
中身ハ空ニシテ
アノ永遠ニ続ク階段ヲ昇リ終エタラ

遊び終わった子供達の
揺れた笑い声にさえ微笑まない
カリカリととがった心が
自分を攻め立てるなら

空想の午後一番列車に

扉に ご注意




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