酔歌 - 1 / ****'04/小野 一縷
 
その時間の通過する感触 

限りなく透明な柔らかさ 音を伝導する気体の密度

今 ここにいるが

もう

ここには これ以上 いられない

時間の表層が膨張して 次の瞬間に 

追い抜かれる

息苦しさが 不安となって走る

さて 薬の時間だ

その後 少しだけ 眠ることにする

まだ明日は 今日の ずっと遠くにある

その間 少しだけ 眠ることにする

体内で刻まれる 時の脈拍は 今のところ正確だ





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