心をしるす/さだあいか (サダアイカ (aika))
 
ずみまで
誰かの役にたって
ひとりひとりの苦しみや幸せを
憎しみや愛を
かすかに感じて

わたしは
ずるくずるく生きていく
消えない体で
生まれた感情が
大切な人たちをないがしろにしたから
罰を与えた
もう二度と会うことも
話すことも出来ない
とけない呪文をかけた
たとえ宇宙の果てまでたどりつけても
消せない
刺青は
誰にもみられないで
ひっそりと花が咲くみたい
もうわたしの中にしっかりと刻みこまれていて
香りみたいに想いがもれて
空を漂いにじみ
どうしたって消えない
わたしの中の女が
わたしの体が
わたしを
忘れたとしても

ねえ
ずっ
[次のページ]
戻る   Point(3)