瞬瞳 / ****'03/小野 一縷
不正確な数値じゃない
知ってしまった 怖れと怯えが持つ純粋な好奇心が
とうに飽きたセックスのように
惰性と倦怠の濃度を高めてしまったこと
不純物の混入とでも 単純に仮定すれば 個人的には分かりやすい
道筋を変えて 時間をずらして
記してきた道標を改めて確認して分った
そこ その場所には何の進化も退行も無かった
何の変化も無かった
ただ 流れていた 流動していた
空気を成すの諸原子のように 見えず
確かに 確実に 経過していた
ここ
ここまで 流れ込んでいたんだ 同じ空気
感じる 肺に 肌に
思考では間に合わない 追いつけない 留められない
目
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