降り立つ / ****'03/小野 一縷
 
黴菌には気をつけろってこと
風呂には入るな
出来るだけ汗はかくなってこと
当然
クソも小便も我慢しろ
要するに 身体の外に 成分を逃がすなってこと

揺れが止まらない
身体の 芯の 
手の震えで 顔を包む
頬が 酷く硬い
だから 抱かせてくれ 
ふくよかな 血の味の接吻
すっぱい にがい 体液と
震えの伝導 
誰だっていい この震えを

一度目で 知ってしまった
物憂さ 昼過ぎ
確信犯が 今
暇に潰されて 今
冷めた体液が 今
臍から 少し 垂れ落ちて
溜息を ほんの一瞬重くする

いつだって
生っぽい誰かの傷の甘酸っぱさは
ぼくを一時だけ 優
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