ハピネス・ウィッシング・ブライトリィ / ****'03/小野 一縷
ほど 弱々しい 真新しい未来を
鉛色の 両翼を綴じて
さようなら
誰かの想いに
ぼくの想いに
気付いた ここ
冷たい 鳥かごの中
ぼくは さえずる
出口の向こうの その景色を
ぼくは 歌う
出口の向こうの ぼくの郷里
出口の無い ぼくの故郷を
懐かしく 新しく 見つけたんだ
畜生や虫けらの魂までも 溶け合うところ
ああ
きみは ずっとここに 居たんだね
飛び交う金色の 電子甲虫を 避けて
ぼくが さあ 帰って きたよ
ぼくは 帰ってきた 羽ばたいて
鍵を 一つ 開けただけ
扉を 一つ 開けただけ
眩暈の回転数が演算する
秘密
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)