変換/寒雪
 



太陽が明日の準備で忙しく
慌しく地平線へ駆け込んでいく
取り残された宵闇の
寂しげな藍色
脳裏に刻まれた昼と夜の狭間
言葉が旅立ってきみの耳にたどり着く時
羽を伸ばした言葉は
着飾った修飾を脱ぎ捨て
きみの海馬で眠りに付く
そこにある藍色の深さは
腰まで浸かった僕の言葉を
大げさだと笑うだろう


波打ち際
忙しく前後運動を繰り返す
泡だって煮詰まった漣の前
ぼくときみは海を見てる
存在を懸命に騒音に変えて
二人の耳にねじこまれる波の命を
ぼくらはいつまで
同じリズムで感じていられるのか
ぼくにもきみにもわからない

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