ほのおがきえるまで/松本 卓也
 
虚無を恐れつつ
ただ温もりが欲しいだけ
ただ優しさに抱かれたいだけ
ただ解って欲しい
解ろうとして欲しい
手を差し伸べて
静かに強く
握り締め

泣いて
笑って

抱いて
愛して

讃えてくれれば
それだけで空の彼方
一人でも行けるから

嘘偽り取り繕う辞令でも
何でも良かったんだ
嬉しかったから
涙が出そうだったから

どうか消えて亡くなるまで
もう少ししかかからないから
このヘボの存在を見ていて

煙が消える直前に
炎が青白く瞬く
見ていてくれれば
踏みにじってくれれば
ただそれだけで構わないから
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