薔薇と睡眠薬/
さつき
眠りの城に密かに隠された王女のように
すべては噎せかえるほどの薔薇の足下に
水たまりの中でひねくれた針は不規則に
まだらな時をゆっくり刻む
ひとひら、あるいは幾千枚
モノクロームの雨のように飲み込んで
長い無音の夢を
戻る
編
削
Point
(2)