薔薇と睡眠薬/さつき
 
眠りの城に密かに隠された王女のように
すべては噎せかえるほどの薔薇の足下に

水たまりの中でひねくれた針は不規則に
まだらな時をゆっくり刻む

ひとひら、あるいは幾千枚
モノクロームの雨のように飲み込んで
長い無音の夢を

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