おぉ私の瞳を赦し給え/真島正人
 
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おぉ
黒い服に身を包み
大げさな声でぺちゃくちゃとしゃべり
鳥の血よりも鳥の
モモ肉を好み
トウガラシの種を庭に植えては
庭の土を更新
し続ける者よ
お前たちのあざ笑った
現状を
睨みつける私の瞳を
赦したまえ
赦しがたいものを
赦し
舌の赤さの上に成り立つ
いくつもの
突起物を
硬い粉上の
蒸気圧で
崩すなかれ
おぉ
私の矛盾した瞳は
やがて無意味へと摩り替わり
他人の服のポケットに
入れられるだろう
私の瞳ははじめから
それ自体として不安げに
転がり続け
二十三回目の変異で
私のこのくぼみに入り込んだ
私のこのくぼみから電
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