ヤノマミ/アラガイs
奥深い森のなか
大蛇のような泥の河を下り
僕が猿の真似をする
ヤノマミがそれを見て笑う
彼らはよく知っている
人間がそのむかし猿の王者であったということを
僕は踊る。覚えたてのベリーダンスさながら腰に巻いた椰子の葉っぱを振りながら
ぬかるんだ地面を裸足でしっかりと掴み、右から左へ左から右へと周りながら何度も何回も狂喜に頭を振り乱して素っ裸で踊る
椰子の葉の隙間から僕のダラリと伸びた性器が太股にぶつかる度 ヤノマミたちはそれを見て笑う 否 僕のみっともない性器を見て笑うのではない
彼らは 生まれたときから裸族だ
きっと僕が 弱々しい猿の姿に見えたから
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)